生物の先生になるためのBlog

現役の生物教員による、生物の先生になるためのブログ。日々、自問自答です。

【生物小ネタ】寄生バチ(アオムシコマユバチ)の生き方について。

昨日は、後期入試の後、県内の生物の先生方との会議に出席してきました。

15:00から始まり、20:00まで会議。最後の打ち上げまで入れたら23:00終了…。

最後の方はもう私も半分寝ていました…。すみません…。

 

生物の先生方と話していると、本当にびっくりするぐらい生き物の話が出てくる、出てくる。

みなさんどこでそんなにいろいろな生き物の生態についての知識を仕入れるのか。

ですよね。勉強します。

 

今日聴いた生き物の話で一番印象に残ったのは、

寄生バチ(アオムシコマユバチ)の話です。

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http://blog.studiowarp.net/?cid=35721

 

寄生バチは、卵をアオムシなどの体内に産み付けるという生態をもっています。

そして、卵からかえった幼虫たちは、最終的にアオムシの体を食い破って外の世界へ出てきます。(画像は衝撃的過ぎるので載せられません…)

 

ここまでは知っていたのですが、実はアオムシの体内では、寄生バチの幼虫たちの知られざるドラマが展開されていたのです。

 

一匹のアオムシには、系統の異なる何匹かの寄生バチが卵を産み付けます。

すると、アオムシの体内でいろいろな系統の幼虫たちが生まれることになります。

 

たとえば、A系統の幼虫が2匹生まれたとして、これを生まれた順にA兄A弟としましょう。

先に生まれたA兄は、他の系統の幼虫たちを片っ端から食べていきます。

これによって幼虫の数が減り、最後に幼虫はアオムシを体内から食べるのですが、そのときの幼虫一匹当たりの食べられる量が増えることになります。

 

しかし、他の幼虫を食べていたA兄は、結局えさとなる幼虫が少なくなると死んでしまいます。

そして、後から生まれたA弟が、ライバルとなる他の幼虫も少ない状況で、アオムシをお腹いっぱい食べて外の世界へ出てくるのだそうです。

 

なんということでしょう。(ビフォーアフター風)

 

A兄は、後から生まれるA弟のために、ライバルとなる他の幼虫を食べ、そして死んでしまうのです。

この弟のために生きる献身的な兄の行動には、感動しかありません。

このような行動は遺伝子的にインプットされているのだとは思いますが、どうしてこのような戦略をとることになったのか。生物の世界は本当に不思議です。

 

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。生物の世界の面白さを伝えられるようにもっと勉強します!!